七尾百合子という女
2月26日17時、それは突然の出来事だった。
バイト上がりいつものようにミリシタを開いた俺の目に飛び込んできたのは「七尾百合子復刻限定ガシャ」の文字。彼女は俺の担当アイドルだ。
といってもミリシタリリース時、俺はアイドルマスターミリオンライブに興味が無く、始めた理由もたまたま友人がTwitterに載せていた伊吹翼ちゃんというキャラが可愛かったからである。
始めてすぐに限定百合子が実装されたが、その時は「ま、百合子可愛いし引けたらラッキー」くらいに思っていた。結局引くことはできなかったが、俺には翼がいるし仕方ない仕方ないと自分に言い聞かせた。乙女ストーム(百合子他4人で構成されるユニット)のイベントが来た時も走るのがしんどくて5000位で妥協した。
そこから先は地獄だった。
俺は日を追うごとに七尾百合子というアイドルに溺れてゆき、日を追うごとに引けなかった後悔は増していった。限定百合子を持っているPから同僚申請が来る度に、申し訳ないと思いつつ申請を断った。貯まればすぐにガチャに使っていた石も、イベントを走る時以外は使わないようになっていった。
待ちに待った復刻ガシャ。溜め込んでいた石を使う時が来た。これで晴れて俺も百合子Pを名乗ることができると思っていた。
結果は惨敗だった。この後30連を回したが全てドブだった。正直、俺のミリシタの運はそこまで悪くなく、今回も心の何処かでこんだけあるんだから引けるでしょと油断していた。この時俺は改めてガシャの恐ろしさを思い知った。天井まで回そうと思ったが、万年金欠貧乏学生にそんな財力はあるはずもなかった。
俺はあろうことかまた百合子を裏切ってしまったのだ。
明け方、新しく実装された馬場このみさんのdear…MVを百合子センターで再生した。
ガチで泣いてしまった。
というわけで限定百合子がまた復刻すると信じて貯金をしたいと思います。もう誰も俺を止められない。